第27回長崎セミナー(2017.2.11)

講演「虹の架け橋をわたるー性の多様性ー」

講師渡辺大輔さん(埼玉大学教育機構准教授)

 

「性の多様性」について、小学低学年から学習することが大切です。実態調査の結果、LGBT

(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど、性的マイノリティの人々)にあたる子ども達は、低学年からいじめを受けやすい。特に「男の子らしくない男の子」が深刻で長期的ないじめを受ける傾向にあるという。子どもは、「性的マイノリティ」について何も知らないのではなく、「おかしなもの」「笑いの対象」として、すでに知っている。 だからこそ、低学年のうちからの学習が必要。性別自認(こころの性)と身体的性別、性表現、性的指向(好きになる性)、戸籍の性によって、多様な性がある。LGBTと呼ばれる人は、2~5%、学級に約1人いると考えられている。また、SOGI(ソジ)という言葉がある。Sexual Orientation  and  Gender  Identityの頭文字で、性的指向と性自認という意味で、あらゆる人が自分のこととして考えることができる言葉。渡辺さん監修の「いろいろな性、いろいろな生き方」ポプラ社3冊セットは、わかりやすく、大人にも子どもにもお薦めの本です。図書館や保健室にあるといいですね。

 

A分科会 遺伝教育プログラムで命の唯一性、多様性を学ぶ

 長崎大学大学院遺伝看護・遺伝カウンセリングコース、大学院生が実施

 遺伝の木や特徴ゲームを通じて、人の特徴の組合せは多様で、全く同じ組合せを持つ人はいないことを楽しく学べるプログラムは、「みんな違うんだ!違っていいんだ!」ということを心の底から感じられる内容だった。

 

B分科会 わたしの心とからだ(小学校低学年)元養護教諭

 雪の影響で、教材や資料を見るだけの時間しかとれなかったため、3月の定例会で発表。性器はマイナスイメージを持たされがちだが、きわめて大切でプライベートな器官であることを認識させ、子ども自身で管理できる力をつけさせたい。楽しい話や教材も工夫して行った授業を紹介し、話し合った。