長崎性教協では、セミナー開催の時「メッセージキルト」を掲示しています。

 2023年3月5日のミニセミナーの時も掲示し、その説明書きも掲示しました。

  

エイズって、な~に? 後天性免疫不全症候群

エイズHIVというウイルスに感染することによって起こりますが、エイズという病気を発症するまでに約10年かかります。その間、感染する力はあります。

HIVは、感染経路を断てば確実に予防できます。

①性行為により、粘膜や傷口から感染

②注射の共有

③母子感染(妊娠中、出産、授乳)

④輸血や血液製剤(以前あった)

世界のHIV感染者・エイズ患者2019WHO発表)

エイズが初めて報告されてから40年が経とうとしている今日、エイズによる死亡が最も多かった2004年以降55%以上減少しました。しかし抗HIV治療を受けている成人は陽性者の62%で、15歳未満の子どもは54%!

 

日本のHIV/エイズは増え続けている!2008年以降増加傾向から横ばいになっていたものの、2018年末また増え続けています。エイズを発症して感染に気づく「いきなりエイズ」も急増しており警鐘が鳴らされています。

早期検査早期治療予防教育が重要! 

 

HIV感染症の治療34種類の抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法が基本。 最近では、23種類の成分が1錠の中に含まれた合剤が多数でており、111錠内服での治療も可能となっています。

治療には、健康保険を使うことができます。高額療養費制度や所得保障制度などの利用もできます。身体障害者手帳の交付も可能です。また、検査相談も保健所にて匿名、無料でできます。検査は事前予約が必要で、感染したかもしれない時期から3か月たってからの検査が正確です。

 

40年前、エイズという、これまで知らなかった感染症に出会って、世界中がパニック!差別、偏見が起こりました!

メモリアルキルトとは・・・

エイズでなくなった人の名前や思い出、生きた証を1枚のキルト(布)90㎝×180㎝に記録したもの。家族や友人恋人らによって衣服やメッセージが縫い上げられ、厳しい差別や偏見を超えて立ち上がり、生命の尊厳を伝えようという願いも込められています。

世界中から集められたキルトで広大な草原を埋め尽くさんばかりの展示会がアメリカで開催され、日本からも通常のメモリアルキルトの他、大きなメッセージキルトも展示されたことがありました。

 

メッセージキルト

感染者や患者の方々を力づけ支援するためにつくられるものです。多くの人たちの意見や支援の言葉でつながれたキルトです。

レッドリボン

ヨーロッパでは、病気や事故で人生を全うできなかった人々を追悼するために、赤いリボンをつける風習がありました。それが世界中に広がり、HIVAIDSへの正しい理解と支援・共生を求めるシンボルとなっていきました。

長崎性教協のメッセージキルト

1993年8月の第12回性教協全国セミナー(熊本にて)で展示しようと会員他多くの人の手で作成したものです。

中央の絵は、ジョナサン君のシンボルマークです。

 (イルカとJの文字、それに🍀を合わせたマーク)

写真絵本「ぼくはジョナサン・・・エイズなの」の著者ジョナサン君を、東京と京都に招待し「ジョナサン君の集い」が開催されました。その時の子ども実行委員会からシンボルマーク使用の許可をとって、作りました。

 

中央のシンボルマークの周りを「ミニキルト」で埋めることにしました。30㎝四方のキルトで、離島も含め、多くの人の手による、たくさんのキルトが集まりました。そのミニキルトをつなぎ合わせ、ここの写真のような180㎝×300㎝のメッセージキルトが出来上がりました。

 

さらに、小学校でエイズ学習した後に子どもたちと一緒に作ったキルトも届き、1m四方のベビーキルトが出来上がりました。絵は小学2年生の手で描かれました。このキルトには、性教協の村瀬幸浩さんや安達倭雅子さん、大戸ヨシ子さん、堀口雅子さん、今は亡き山本直英さん、君和田和一さん等多くの方のメッセージも書いてもらっています。次々に新しい感染症が現れるたびに、差別や偏見による人権侵害が起こりがちです。これまでの歴史を振り返り、冷静に対処していきたいものです。(文責:村瀬恵美子)