第23回長崎セミナー(2013.2.9)

講演 「子どもたちを大切にするということー性教育の可能性

講師 中井良次さん(社会福祉法人)大阪水上隣保館児童養護施設遥学園寮長、性教協児童養護施設サ代表)

 

大阪と京都にまたがってある大きな福祉施設内にある遥学園という養護施設で、子どもたちと性の大切さを学ぶ環境を作り続けている方です。写真はレントゲンマシーンという教材、子宮ってこんなところにあるよ「こんな風に」と伝えている中井さん。現場で子どもたちと接する中から出てくる言葉は説得力あります。「乾燥精子持ってきた。」となにやら白い粉をビーカーへ。水に溶いてビーカーを下から覗いて「あっ精子動き始めた!」と迫真の演技・・・・なんて関西人ならではのユーモアです。勿論そんなものはなく、片栗粉水で溶かしたものでしたが、「本当かも?」と信じた私みたいなものもいたほどです。楽しく、いやらしくなく、最近重要視され始めた男の子の性を爽やかに伝えられました。女性の性は杉(まっすぐ)、男性の性は松(ちょっとしたことで屈折、屈曲、デリケート)という言葉にも納得。連休初日にお集まりくださった60名も、楽しく笑いころげながらも、納得されて帰られていたように思いました。 

 

A分科会 「小学校での性教育の取組レポーター:養護教諭

体重測定時に行う保健指導として性教育も実施。年度当初に年間計画を提示し全学年実施。内容は家庭にも知らせ理解をえられている。今回は、二次性徴を保健指導で実施した後、教科学習を担任とT・Tで実施した内容が報告された。様々な立場からの参加があり、現場での悩みを出し合い話合いました。改めて子どものころからの性教育の必要性を痛感しました。

 

B分科会 「中高校生対象 お互いを大切にする二次性徴の授業レポーター:安日泰子さん

中高校での講演で取り組まれている「アンケート結果をもとにした展開」の様子を報告。異性の悩みを想像することから始める授業に、生徒たちは男女間の意識のギャップに新鮮な驚きと興味を持ち、自分を見つめようとします。そして、刷り込まれた性ではなく、お互いを認め合い、大切にする人間関係を築いていくことが大切であると気づいていきます。知識を与えるだけでなく、意識を変えるようサポートしていくのが教育であると改めて考えさせられました。実際に実施された中学校も紹介され、自分もやってみようと思えました。

 

Ⅽ分科会 「特別な支援を必要とする中・高校生の性教育レポーター:障がい児・者フリースペースの会 遊歩

児童デイサービスにおいて取り組んだ大学生と共に取り組む「からだ探検隊」の報告。事業所内に見られるようになった性に関する様々な「困り感」に対して、きちんと教えたいという職員の方々の思いから始まったこの活動。当日は、からだの学習の他に、人との距離の取り方等の参加型の学習もあり、楽しく学べた様子が伝わってきました。今後も全体活動に限らず、小人数や個別の指導、教材研究を行っていきたいということでした。このような取り組みがもっと広がっていくといいなあと思いました。