第22回長崎セミナー(2012.2.18)

講演障がい児・者の性と生ーライフサイクルに応じた性教育ー」

講師:任海園子さん元特別支援学校養護教諭、性教協障害児サ幹事)

 任海(とうみ)さん独特の優しいまなざしと言葉、豊富な経験の中からの具体的でわかりやすい話をしてくださいました。特に印象に残った2例を紹介したい。「お兄さん、お姉さんになると、ストレートなスキンシップはいけない。「いいですか?」「いいですよ。」という、人と人との間に『間』が必要だと教えたい。2例め、「人前での性器いじりや自慰などの問題行動を「恥ずかしい」ことだと感じさせることは難しい。「一人で、この場所でしていいよ。」など、時と場所を選ぶルールの方が身につきやすい。このような具体的な話に、なるほどと頷く参加者でした。性教育に関わったきっかけは、子どもの実態から必要性を感じたこと。まず自分が性を学ばなければと、問題を共有する仲間と一緒に研究。新しい発見があり、とても楽しかった。楽しくないと続かない。私たちも、長崎でサークルを作って楽しく勉強させてもらっています。あなたも、入って勉強しませんか?     “人間と性”教育研究協議会の障がい児サークル ←クリックしてね

 

A分科会 小学校での性教育の取組と県央保健所における性教育の取組」

小学校での性教育(養護教諭)・・性の問題は「自分を大切にする」のが基本。子どもたちに考えさせる工夫がなされた授業の報告がありました。板書された黒板の写真を見ながらの報告は、とてもわかり易く勉強になりました。

「県央保健所における性教育の取組・宗陽子さん

宗先生から、長崎県ではエイズ患者(HIV感染者も含めて)はどれ位報告されているでしょう?というクイズを出されました。先進国の中では珍しく増加している日本。長崎では50人の感染者報告があって、その3分の1が、感染の事実を知らずエイズ症状が出て初めて感染に気付く「いきなりエイズ」だそうです。参加者に医療関係者や保健所関係の方が増えているのも、身近に危機を感じておられるからでしょうか。保健所では、中高校生だけでなく、小学生対象の授業もされているそうです。あなたも近くの保健所の地域保健課へ相談してみませんか?

 

B分科会 「特別支援学校での性教育の試みレポーター:特別支援学校養護教諭

 「性の学習」について、学校全体で取り組めるように働きかける様子や、その結果全体で取り組むようになる様子など、詳しく紹介していただきました。また、子どもの実態や特性が様々な中、学部、学年別の集団指導であったり、時には個別指導であったりと、子ども一人一人に合った「性の学習」ができるよう配慮されていることが、とてもよくわかる内容でした。保護者との連携の大切さや学内外とのネットワーク作りの大切さも改めて感じました。参加者からも「実態に合わせての保健指導や性教育の展開例をたくさん提示され勉強になった」という感想や、「自尊感情を高めることとその支援、コミュニケーションの取り方の大切さを再認識した」という感想等が寄せられました。