第21回長崎セミナー(2010.12.11)

パネルディスカッション「デートDVを考える」   コーディネーター:安日泰子さん(産婦人科医)

原健一さん(佐賀県DV総合対策センター所長)

 2001年、DV加害者男性に対して非暴力ワークプログラムを行う「メンズサポートふくおか」を設立。福岡県内の精神

科病院では、DV被害者女性を支援するために「DV外来」を立ち上げ、同時に心理士としてカウンセリングにあたる。2007年より現職。内閣府の「女性に対する暴力に関する専門委員会」専門委員、内閣府「女性に対する暴力予防啓発教                材検討会」委員。中絶率が全国でワースト一位だった佐賀県。そのため佐賀県は、性教育・デートDV防止などに取り組                         んでいる。その様子を報告。 

永松美幸さん(佐賀大学医学部母子看護学講座講師)

助産師として病院や町役場、専門学校教員等後、2009年より現職。2008年度から佐賀県DV総合対策センターと共同で「中学生のための

教育プログラム」を作成し、佐賀県予防教育事業として展開。佐賀県の中学生の意識と行動に関するアンケート結果を紹介しながら、家庭でのコミュニケーションの大切さを説かれた。そして、中学生に対する「お互いに尊重する関係を作る教育プログラム」について紹介

★ 松本美恵子さん(NPO法人DV防止ながさき DV防止指導者養成講座を開催し、その指導者を育成) 

中学生に暴力について尋ねてみるが、認識があまりできていない。「辛い」と感じるのが暴力であり、それは心への暴力もありうる、ということを伝えている。子どもたちは、デートDV被害の相談を友達にしている事が多い。だからこそ、子ども達に、的確なアドバイス、被害に気づく力をつけていきたい。活動内容やデートDV予防教育受講後のアンケート結果紹介。

長崎大学医学部保健学科の学生(宮原春美ゼミ)

ロールプレイを通してピュアエデュケーションの様子を報告。学生たちも演じることで、加害者・被害者の経験ができて、「嫌なことは嫌と言えるようになった。また、「これがデートDVだと判断できるようになって良かった。友達の相談の時も役立っている。」という感想が紹介された。

 ★長崎県養護教諭

長崎の中学の気になる子どもの話から、DV防止教育に取り組み始めたとのこと。「束縛されてもいい。無関心よりいい」という子どもの言葉が突き刺さる。そんな子どもたちに、どう寄り添っていくのか、保健室で日々格闘している。

 

 佐賀県DV総合対策センター ←ホームページもクリックしてみてください。

 

   

A分科会 小学4年 保健「二次性徴」道徳「命の誕生のしくみ」 4年生担任教諭

そろそろ始まる大人のからだへの変化を、肯定的に受け止められるような授業を目指し、今回はその中で「命の誕生のしくみ」について報告。精子と卵子の出会いから出産という性交をきちんと取り入れた重要な内容で、指導に当っては、保護者へ前後のフォローがなされるなど、様々な配慮がなされた授業でした。

 

B分科会 中学3年 保健体育性感染症の拡がりと、これからの自分たちの性行動について養護教諭

保健体育教師による教科書中心の授業をした上で、ゲストティーチャーとして養護教諭中心に授業した内容を報告。導入の模擬体験ゲームでは、和やかな雰囲気が出来上がるとともに、性感染症の拡がりを体感しました。そこから、アンケートの結果や新聞記事を通して、性感染症を身近に感じ、どんどん授業に引き込まれ、「人はなぜ性的なふれあいをするのか」というお話で、性を肯定的にとらえられるようになったという感想が多かったです。