第30回性教育長崎セミナー(2024.3.3 諌早市社協)

 「ゼロから学ぶ障害のある子ども・若者のセクシュアリティ」 

 講師:伊藤修毅さん     

  長崎セミナーの概要                 

障がいのある方への性に関する支援に悩んでおられる方は多く、今回の講演会は大変有意義なものでした。参加者は、特別支援教育関係の教師や養護教諭、県や市などの行政関係者、障害者福祉事業所や放課後等デイサービス、自閉症協会など当事者を支える会、助産師や保健師、思春期相談士、医師や看護師、子育て支援センター、DV防止ながさき、性暴力被害者支援員、民生・児童委員など、さまざまな立場の方が集まってくださいました。

 

午前中は、伊藤修毅さんの講演「ゼロから学ぶ障害のある子ども・若者のセクシュアリティ」で、あっという間の1時間45分でした。わかりやすいお話で、「目からウロコ」のような感想がたくさんで、15分の質疑応答も有意義でした。午後からは、事前の参加者からの質問に講師がコメント。その後5つのグループに分かれ自己紹介し、日頃の想いや夢を出し合う座談会。その様子を発表しあい、満足のいくものであったことがわかりました。

障害の有無に関わらず大人自身、性についての学び直しの必要性を感じてくださった方が多かったように思えました。さまざまな立場の方との出会いを大切にして、今後さらに連携できることはないか、模索していきたいと思っています。

 

みなさまからの感想

 🌺講演を通して自分の性教育についての捉え方が変わりました。性教育は、自分で自分の身を守るために必要なことだとだけ思っていましたが、包括的セクシュアリティ教育の考え方から、「性を楽しむ」ということが大切だと知りました。性教育の本当の意義を知ることができたと感じています。養護教諭

🌺ドキッとしながら聞いていました。安心して生きていくための教育ですね。障害の有無に関わらず、もっと早いうちからの教育が必要だと思いました。ありがとうございました。(元教員)

🌺カリキュラムとして、低学年から性教育をやっていかないといけないということを感じました。自分自身がほとんど勉強したことがないので、まずは自分が勉強しなければならないなと感じました。ありがとうございました、とても勉強になりました。(大学所属)

🌺小学校支援学級担任です。小1から小6まで、発達段階に応じた性の指導(包括的な指導)については、まだまだ前向きではない学校現場を感じました。ついつい犯罪につながらないように・・・と「ダメダメメッセージ」になってしまいます。これからも学びを広げていきたいと思っています。

🌺とても勉強になりました。私も性教育に関しては、修学旅行に行く前、女子だけ集められて聞いただけです。「教わってないじゃん」「教えてよ」っていう言葉、すごく心に刺さりました。

🌺障がいがある・ないに関わらず、大切な権利として性教育があるのだということを再確認するとともに、自分が行っている性教育とのすり合わせもできて、参加してとても良かったです。「言葉」の使い方や「表現」の仕方。間違っていた伝え方も明確にできた気がします(距離感)。とてもわかりやすく丁寧なお話で聴きやすかったです。・・・・・(長崎県助産師会所属)

🌺2時間あっという間でした。子ども・障害者の自己決定ということを常に念頭に入れて伝えることが大切と思いました。保健師として性教育に従事してきましたが、いわゆる古い(たぶん文科省のものに近い)ものになっていなかったかと反省ばかりです。

🌺距離感について、まさに「腕一本」を伝えていた。支援をしていく中で、正しい知識をもってしていくことの重要性を学んだ。(放課後等デイサービス所属)

🌺全てが学びのお話ばかりでした。サイコロゲームは、ぜひ本人部会で実践してみようと思います。(長崎県自閉症協会所属、長崎性教協会員)

🌺セクシュアリティについて、どのようなスタンスで考えたり伝えたりすればよいかの大変良い情報となりました。発達の凸凹のある方については、特性(脳の情報処理の仕方の特徴)をベースに、コミュニケーション・社会性の学びの一つとして、性に関する部分も考えていけると良いと思いました。そうすると、わりと「愛着」なのか「特性」なのか、どちらがパワフルな要因かというのも少し考えやすくなると思いました。(特別支援学校所属)

🌺・・・愛着の所は、自身感じる所があり、今後は感じたことや教わったことをふまえて支援していきたい。次回、保護者にむけて伝える方法を知りたい。

🌺包括的セクシュアリティ教育の意義をよく理解できました。特に「からだの権利」「プライベートゾーン教育」「ASD児の愛着形成」について特に意義がありました。グループワークも良かったです。

🌺学び直しの時代。目からウロコでした。障害者権利条約の「権利」が、人類「皆」に権利があると学びました。人ごとだったのが、ぐっと身近に感じられました。多くの学びをありがとうございました。

🌺とても分かりやすい講演でした。専門的に学んだわけではないので、情報のひとつとしてお話された言葉など、知ってはいましたが、その本質を教えて頂きました。(DV防止ながさき所属)

🌺とても分かりやすく充実していました。障害のある人だけでなく、性教育の大切さを改めて実感いたしました。伊藤先生の話で、少し整理がつきました。グループワークも意義あるもので、ネットワークのつながりの起点ができて良かったです。(長崎性教協とDV防止ながさき所属)

🌺福祉、介護を学び始めたばかりで、障害のある方の性について初めて聞くことばかり。何にでも抑制的性教育はダメで、原因の解決が必要なんだと、再確認できました。・・・

🌺・・・障害児(者)の周囲の支援者(保護者含む)が、もう一度性教育を学び直す必要があるなと感じました。特別支援学校(学級)だけでなく、全児童にも性教育を徹底してほしいものです。

🌺「快」「不快」の理解ができているのかわかりませんが、「嫌だ」が言えない場面緘黙の子どもの対応の仕方を教えてほしい。セミナーはとても良かったです。(諌早市デイサービス所属)

🌺本校の1,2年生に、「だいじ、だいじ、どーこだ?」遠見才希子作の絵本を使ってプライベートゾーンの学習をしました。講演内容で学んだ禁止メッセージも含んでいました。2年生に全体指導でその学習をした後、そのクラスで一緒に学んだ特別支援クラスの1人の男の子(2年生)と担任と私養護教諭で伊藤先生の「イラスト版発達に遅れのある子どもと学ぶ性のはなし」の本を参考に、主に「自分のからだを知ろう」をしました。この男の子は、全体指導では、ほぼ反応がなかったのですが、クラスで3人で勉強すると、とても楽しく笑顔いっぱいで学ぶことができました。授業の中で「だいじ、だいじ、どーこだ」の内容も復習しようとしましたが、「だめだめメッセージ」が多くなると、表情がなくなってしまうので、ひかえました。プライベートゾーンの再考はとても勉強になりました。(諌早養護教諭)

🌺伊藤先生のお話がとてもわかりやすく、いかに無知だったか反省しました。学校における性教育の実態を調査したり、性教育に関する講座を計画していきたいと思います。その節は宜しくお願いいたします。(民生委員・児童委員、元小学校校長)

🌺保育士です。ただ1つの生命をさずかって生まれた「たましい」を、尊厳を持って寄り添って生きていける保育士でありたいと強く感じました。障害児さんの性器タッチ等に自分自身が感じる嫌悪感の「もと」をしっかり、自分の内側を見つめて考えていこうと思います。

🌺知らないこといっぱいでした。障害のある子どもと言いながら、みなに通じる内容だと思いました。

🌺・・まずは私たちが正しく知り、肯定的に伝えられるように今後も学んでいきたいと思いました。

🌺・・・他の人も誘いたかったのですが、教員は今とても多忙な時期で難しかったです。(小学校教諭)

🌺・・・今まで自分が知っていたと思っていた考えなどが、本当の性教育ではなかったと気づけてよかったです。これからも努力します。・・(長崎市の放課後デイサービス所属)

🌺障害者権利や国連障害者権利委員会、包括的セクシュアリティ教育・・など、初めて聞いたことばかりで、とても勉強になりました。また、教育現場での状況や、その中で洗脳された子ども達の状況など知ることができました。すべての人に聴いていただきたい内容でした。・・・看護師

🌺何となく通り過ごしていた事を、とても大事な事だと再確認させていただきました。

🌺支援が必要な未成年の子ども達への対応や会話、知識を持つべき者が正しく教えられる方法、大変勉強になりました。🌺・・多くの人に聞いてほしい・・🌺真剣にうちこんでいらっしゃる皆さまに出会えてよかった。🌺今後SNSや性情報をテーマに学習したい。・などの感想でした。

以下録画配信の感想 

🌺プライベートゾーンとからだの権利考えさせられ、納得でした。距離感だけをついつい強調しがち、快いふれあいがあって不快がわかる、ダメダメ教育すべてとてもわかりやすかった。性と生学びなおします。ありがとうございました。(鹿児島たんぽぽ)

🌺とても分かりやすくて感動しました。伊藤さんの著書など以前拝見したことがありましたが、もっと読みたいと思いました。自閉症や知的障害がある方など、普段接する機会がないのですが、事例を通して少し知り得ることができました。障がいの色々の基本的な知識ももっと学んだ上で、今回のお話を再度なぞって深めていきたいと思います。(訪問看護師)

🌸障害児についての性教育も、包括的性教育の視点で行えばよいのだと頭が整理できました。性器タッチやその対応、プライベートゾーンの説明なども、子どもの権利を守る視点が大切だと気づかされました。(DV防止ながさき)

🌺権利条約など基本的なことから丁寧に説明して頂き、とても分かりやすかったです。是正勧告を受けても最高裁判決が出ても、変わっていかない国政を担う人たちの考え方。性教育ネグレクトの連鎖を断ち切るために、地道に周りに広げながら性教育を続けていかねばと思いました。(長崎性教協)

🌺大変わかりやすいお話でした。「障害者権利条約」など詳しくしることができ、理解が深まりました。「包括的性教育」「生命の安全教育」のことも改めて学ぶことができ、大変ためになりました。障害者の性教育には苦手意識がありましたが、具体的な実践例などを示していただき、「大切な事だ」と気づくことができました。伊藤さま、ご企画いただいた性教協の皆さまに厚くお礼申し上げます。(新潟サークル助産師)
🌺分かりやすく話しして頂き良かったです。(長崎性教協)
🌺伊藤さんのお話はとても分かりやすく、実践と照らし合わせて聞くことができました。(熊本サークル)